2012年4月18日水曜日
肘内障
先日来院されたお子さんの怪我「肘内障」について解説しましょう。
肘内障とは簡単にいえば肘の脱臼です。
肘は3本の骨で構成されています。
1本目は肩から肘にかけてある上腕骨。
2本目は肘から手首まである尺骨。
尺骨は肘鉄をくらわす骨ですね(笑)
3本目は今回の主役「橈骨」。
難しい字を書きます。
僕もこの業界へ入るために学んだ学生時代、最初に驚いた言葉です(笑)
知りませんよね、こんな言葉^^;
図を見て下さい。
この骨が橈骨です。
頭がお皿のようになっていることで、上腕骨との動きをスムーズにして掌を回せるようにしている骨です。
次の図を見て下さい。
この橈骨に輪状靭帯という輪になった靭帯がかぶっています。
この靭帯によって橈骨が変なところに行かないようになっています。
この橈骨の頭「橈骨頭」が図では横から見るとトンカチの頭のようになっているので輪状靭帯にうまく収まって抜けないようになっているのです。
しかし、幼少期にはこの骨の頭の部分が小さいために抜けやすい構造になってしまうのです。
なので不用意にお子さんの腕を引っ張ると抜けてしまい肘内障になるということです。
肘内障は肩の脱臼と間違いやすい怪我です。
それは腕を動かさなくなるからです。
なので大概は肩を外したと思われがちですが、肘の骨が1本抜けてしまうという怪我なのです。
発症したら直ぐに接骨院か整形外科へ受診されることが必要です。
時間が経過しすぎてしまうと入りづらくなることがあるからです。
この輪状靭帯が橈骨頭と上腕骨の間に嵌入してしまうことが殆どです。
整復は極めて簡単です。
麻酔もいらずすぐに終わります。
ただ、一度抜けると抜けやすくなるので当分の間は注意が必要です。
ですのでお子さんの腕はあまり気軽に引っ張らないようにしてくださいね。
そして少しでも異常を感じたら早期の受診をおすすめします。
お子さんは抜けても腕を動かさなければ普通にしているので気がつきづらいこともありますので、腕を動かしていない、肘を曲げない様な症状が現れたら直ぐに受診しましょう。
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